多機能端末

 

 8割の人が「あまり変わらない」と回答しました。今回は「多機能端末機による文房具への影響」に関するアンケート調査の結果です。多機能携帯端末が普及しても、ほとんどの人が自分にとっての文房具の位置づけは「変わらない」としていますが、デジタル化が進んで最も影響を受ける文房具としては、6割の人がノートや手帳、便箋・封筒などの紙製品と考えていることが分かりました。アンケート調査期間は2010年6月1日〜30日の1カ月間実施、回答数は606件でした。

                            2011年の調査結果はこちら

 

 

 アマゾン社の電子書籍端末のキンドルはじめ、多機能携帯機器と言われるアップル社のiPhone、iPadなどの出現により、書籍・出版業界では電子書籍に絡む動きが活発化しています。
 おりしも、東京ビッグサイト東棟で開催した第21回国際文具・紙製品展ISOT(7月7〜9日)とほぼ同時期(7月8〜11日)に、隣の西棟では第17回東京国際ブックフェアが開催され、今回新設された電子書籍関連技術関連コーナーには国内外のメーカー40社以上が展示、連日、大きな人だかりができました。
  これらを見ましても書籍・出版業界は多機能携帯機器の出現で大きな影響を受ける業界の一つと受け止められていますが、果たして「印刷については、ガリ版からタイプライター、ワープロ、PCと一気に変化していったことを身をもって体験しました」(富山県・会社員・男・54歳)と指摘する人もいるように、文具業界は対岸の火事視していられるのでしょうか。



電子書籍端末に関心集まる第17回東京国際文具フェア

 そこで、今回のアンケート調査を行ったもので、アンケートの質問内容は、@iPadという新しい端末の出現で、コミュニケーションや記録ツールなどデジタル環境が更に変化してきそうですが、その対極にあるアナログの文房具は、あなたにとって今後どの様な位置づけとなるとお考えですかAデジタル化が進んで、最も影響を受ける文房具はどれと思いますかBあなたにとって文房具とは、どんな存在ですか…などを聞きました。
 その結果、多機能携帯機器が普及しても各人の文具の位置づけは「これまでと変わらない存在」と回答した人が79.7%を占め、「あまり使わなくなる」という人は僅か11.4%で、多くの人が文房具は、デジタル機器と違った価値があると思っている人が多いようです。
 「これまでと変わらない存在」と回答した人の意見を見ても、「iPadなどのデジタル化で変化があるのは通信手段(手紙)や書籍などに影響すると思いますが、文具にはあまり影響しないと思います。アナログ製品にはアナログなりの良さがあり、程よいバランスで使い分けていければ良いと思います」(神奈川県・会社員・男・36歳)や「文房具とパソコンを結びつける今回の質問は特に面白いと思います。文具は昔からありますが、パソコンの影響というのは、メモ帳がいらなくなって筆記用具を使わなくなった、など少しは影響してますね。しかしながらやっぱり可愛いとか、面白い、持ってて羨ましがれる、珍しいなど、進化し続ける文房具はまだまだ現役だと思います」(岡山県・パート・男・32歳)、「デジタルは信用できません。データは何かの拍子に、一瞬にしてパー。メモやノートに、ちゃんと人の手で書く。これが大切だと思います」(福岡県・会社員・女・47歳)などの意見が寄せられました。
 一方、「あまり使わなくなる」と回答した人の意見を見ると「デジタル化が進み、使用頻度は確実に減ると思うので『これまでと変わらない存在』というわけにはいかないと思いますが、必要が無くなるということは絶対に無いと思います。それだけに、ここはなんとか頑張って生き残っていただけることを切に願っています」(埼玉県・女・40歳)や「デジタルツールは便利ですが、メールばかりで手紙を書かなくなってから、自分で漢字を書こうとしても思い出せない。しっかり自分で書き、考えないと能力はどんどん低下してしまうと怖くなりました」(富山県・自営業・女・39歳)、「多機能型携帯端末によって手帳とかメモ帳などの影響は著しい変化を遂げると思いますが、昔からの手紙とか、封筒はそれなりの需要があり現在以下にはならないと思います。(兵庫県・会社員・男・60歳)、「最近はよくパソコンや携帯電話を使用しているので、文房具を使用する機会が減ってきているのですが、メモをとったり、スケジュールを書き込んだりするのは文房具を使用しております」(大阪府・自営業・女・38歳)など、「あまり使わない」と回答しながらも文房具の利点を上げる意見がおおかったです。
 次に、「デジタル化が進んで、最も影響を受ける文房具はどれと思いますか」に対しては、「便箋・封筒」と回答した人が27.5五%で最も多く、次いで1.3ポイントの僅差で「ダイアリー・手帳」(26.2%)、3位は「ノート・メモ帳」(9.8%)、次いで「筆記具」(6.8%)の順となり、上位1〜3位は紙製品で、合計すると63.5%に上り、6割以上の人が紙製品に影響すると感じている結果となりました。
 「あなたにとって文房具とは、どんな存在ですか」の質問に対しては、81.4%が「必需品」と回答、次いで「趣向品」が14.9%で、ほとんどの人が文房具は日常に欠かせないものと感じているようです。
 「いくら世の中が便利になってもやっぱり、手作りにはかなわないと思います。用途を使い分けて皆さん使っていると思うので、心を込めたものを贈りたいときは絶対文房具は欠かせません。昔から手紙が好きで便箋などよく購入していたのですが、昔に比べて最近は便箋の種類が減ったなあと思います。デザインも昔の方がいいものがありましたね。それが残念です。また、復刻版的なものが出てくるといいな、と思います」(東京都・パート・女・34歳)、「娘と主人がとても文房具が好きです。文具コーナーはいつまでいても飽きないようです。そんな2人の気持ちをかきたて続ける文房具、今後、どんな製品が出てくるのか、とても楽しみです」(東京都・主婦・41歳)など今回も文具好きの意見が多く寄せられました。