アナログの文房具とデジタルツール

 8割近くの人が、アナログ文房具とデジタルツールは「共存できる」と回答。これは文房具屋さんドットコムが実施した、スマホなど多機能端末の普及による文房具への影響に関するユーザー意識調査の結果。また、デジタル化が進んで最も影響のある文房具については、便箋・封筒、ダイアリー・手帳、ノート・メモなど「紙製品」とする人が多いです。
 アンケート調査期間は、2014年6月1日から30日までの1カ月間実施、有効回答数は793件。

前回の調査結果は→こちら

 

 アンケート調査の質問内容は、@従来型の携帯電話かスマホ、どちらを使用していますか?Aタブレット型端末を使用していますか?Bスマホやタブレットなどの普及により、コミュニケーションや記録ツールなどデジタル環境が変化していますが、その対極にあるアナログの文房具は、デジタルツールと共存できると思いますか?Cデジタル化が進んで、最も影響を受ける文房具はどれと思いますか?Dスケジュール管理に携帯電話やスマホを活用していますか?Eデジタル化が進展する中にあっての、文房具についての意見…などを聞きました。

 その結果、@については、従来型のガラ系の携帯電話と回答した人が47.4%と最も多かったですが、前年の調査に比べ3.2ポイント減少し、逆にスマホを使用している人は2.7ポイント増えて、41.1%となり、スマホ利用者が年々増える傾向にあります。
 また、両方使用していると回答した人は、前年比3.1ポイント減の3.9%、両方とも使用していないと回答した人は同4.6ポイント増の7.6%でした。

 なお、(社)電子情報技術産業協会及び(社)情報通信ネットワーク産業協会が調査、発表している統計資料によると、2013年度累計(2013年4月〜2014年3月)の移動電話国内出荷台数は2301万6000台、前年比88.2%と3年連続のマイナス。このうち、スマホは1222万5000台、前年比83.8%となり、累計でのスマホ比率は53.1一%となっています。

 Aのタブレット型端末の使用では、使用している人は26.6%。
 Bのアナログ文房具とデジタルツールの共存では、「共存できる」と回答した人が前年比3ポイント増の77.9%で、ほとんどの人が共存できると思っています。
 Cのデジタル化が進んで最も影響を受けると思われる文房具では、昨年のダイアリー・手帳から便箋・封筒と回答した人が最も多く25.7%、ダイアリー・手帳は22.4%、次いでノート・メモ21.4%、筆記具11.5%、事務用品全般7.5%の順となり、便箋・封筒、ダイアリー・手帳、ノート・メモの「紙製品」で69.5%(前年76.5%)を占め、紙製品の影響が最も大きいと思っている人が多いです。
 Dのスケジュール管理については、携帯電話やスマホで「管理している」と回答した人が4.9ポイント増えて40.7%となりました。
以下で、今回のアンケート調査に寄せられたユーザーの「声」を紹介します。

■みんなの声■

 ◆文房具にはぬくもり感
 「安心感」「ぬくもり感」が文房具にはあるので、デジタル機器との棲み分けは出来ると思う。鹿児島県・会社員・女・41歳
 ◆デジタル化で資料が共有
 アナログからデジタル化により資料(ノートやメモなども含む)の共有ができ、どの端末(パソコンとタブレットやスマホ)でも確認作業が可能になった。埼玉県・会社員・男・56歳
 ◆文具は生き延びる
 私は文具が大好きです。文具店に行くと、いろいろと買い込みます。デジタル化が進んでも、文具は生き延びることができると思います。大阪府・主婦・59歳
 ◆それぞれの役割がある
 デジタル化が進んでも、紙ベースの資料がなくなることはあり得ないと思います。デジタルはデジタルの、紙ベースの文具は紙ベースでの役割があると思います。福島県・会社員・男・48歳
 ◆デジタル化で漢字忘れそう
 デジタル化するとあまり文字を書かなくなるので、漢字を忘れてしまいそうです。茨城県・会社員・女・64歳
 ◆手紙には情緒がある
 ラインの電話やメールが進んでも、昔ながらの手紙は情緒があるので無くならないと思います。大阪府・会社員・女・53歳
 ◆筆記具で書く必要性感じる
 パソコンや携帯などデジタルグッズばかり使って、自分で文字を書くことが少なくなったので、読めるけど書けないということが増えた気がします。また、自分で書く文字が以前より雑になった気がしていて、筆記具で自分で書く必要性を感じています。岐阜県・会社員・男・47歳
 ◆新たな進化は多くの発想生む
 文房具という誰もが使うモノだからこそ、デジタルを取り入れた新たな進化は多くの発想を生むと思います。東京都・学生・男・24歳
 ◆ニッチな部分の補完を
 デジタル化は止められない流れだと思います。ニッチな部分を補完するのと、デジタルに勝る部分を押すのが良いと思います。千葉県・自営業・男・36歳
 ◆書く事が成長に繋がる
 鉛筆と紙の組み合わせは重要だと思う。書く事が成長に繋がるので、鉛筆と紙は無くしては駄目だと思う。東京都・自営業・男・47歳
 ◆デジタルとの融合楽しみ
 これから先にはデジタルと上手く融合した新しい文房具がたくさん出てくるのではないかと楽しみです。しかし、今までのアナログな文房具にはアナログならではの良さを生かしてこれからも現役で頑張ってほしいです。群馬県・会社員・女・29歳
 ◆書く事の楽しさを
 デジタル化の中でも書く事のよさや楽しさをアピールできる商品であれば、今後も利用されていくのではと思います。東京都・主婦・34歳
 ◆バックアップに手帳
 私に限って言えば、スケジュール等は、スマホで管理していますが、バックアップとしてアナログの手帳などを使っています。やはり年齢的に安心感があります。北海道・自営業・男・60歳
 ◆手書きが一番便利
 デジタル化と文具は別だと思う。いつでも手書きは必要。公文書や書類はデジタルでも、他は手書きが一番便利。宮城県・パート・男・55歳
 ◆デジタル機器は電気がないと動かない
 いざという時の耐久性を考えれば、今までの文房具は絶対に手放せません。デジタル機器は、電気がないと動きませんし。鳥取県・自営業・男・48歳
 ◆デジタル化でスペースとらない
 デジタル化が進むと、必要書類を管理できるので、部屋のスペースもとらなくなり、とても助かります。必要となる文房具もそれに伴い変化していく必要性があると思います。共存のできる状態がベストだと思います。北海道・会社員・女・54歳
 ◆「紙」に愛着強い
 やはり「紙」に対する愛着が強く、手に握って確かめるという感触は捨てがたいものがあります。いまだにメモ帳派です、従来の文房具は残っていくと思います。いろんなアイデアを期待しています。大分県・主婦・55歳
 ◆レコード針は復活した
 例えば、レコードは生産されなくなったけれど、レコード針は復活したように、アナログは復活のチャンスがある。デジタルで始まったものは、廃れたら復活はないと思う。東京都・会社員・男・42歳
 ◆デジタル化は宿命
 デジタルへの移行は宿命でしょうね。ただしアナログな文具が全く絶滅するかというとそうではなく、かつての鉛筆のように細々と或いは特定の分野で生き延びることでしょう。群馬県・自営業・男・31歳
 ◆学校では欠かせない存在
 学校では欠かせない存在なので、これからもいろいろな進化を見せて欲しいです。群馬県・学生・男・22歳
 ◆感情や想いは伝わらない
 感情や想いはデジタルでは伝わらないのでアナログの文房具は必要。新潟県・会社員・男・25歳
 ◆上手く共存を
 文房具はデジタル化が進んで時代が変わってもなくなることはないと思います。デジタルに頼りすぎるのも不安なので上手く共存していく方法を考えていきたいですね。東京都・会社員・女・31歳
 ◆文房具は進化し続けている
 文房具は使って楽しいし、進化し続けているので使い続けたい。奈良県・主婦・43歳
 ◆必要性は変わらない
 昔に比べて確実に使う機会は減りましたが、やはり使う場面もあるので必要性は変わらないと思います。岐阜県・会社員・男・20歳
 ◆スケジュール帳持ち歩かない
 最近ではスケジュール帳は持ち歩かなくなりました。スケジュールはスマートフォンで管理してしまいます。徳島県・主婦・37歳
 ◆共存しなければ人生楽しくなくなる
 文房具で書くことで、脳の刺激やら何やらとあるとは思いますが、それ以上に温かみがあるのが利点。デジタルとアナログは共存しなければ人生が楽しくなくなると思います。茨城県・学生・男・18歳
 ◆融合進むのがベスト
 新しい形の文具と、デジタル文具、そしてICTツールの相互利用と融合が進んでいくのがベストな形であると思います。山口県・公務員・男・54歳
 ◆あきらめるしかない
 時代の流れであり、あきらめるしかない。山形県・無職・男・67歳
 ◆字が綺麗な人は強みに
 少数派になっても手書きの良さは変わらないと思います。むしろ字が綺麗な人や、手書きの挨拶状などは今より貴重で、個人の強みになる気がします。福岡県・パート・女・36歳
 ◆大切なものはアナログ
 パソコン上に記入すると漏洩の恐れがあるので、大切なものはいつもアナログにしています。東京都・女・28歳
 ◆筆記具は残る
 スケジュールも書いた方がやっぱり感覚的にわかりやすいので、筆記具は残っていくと思います。奈良県・パート・女・35歳
 ◆何でも表と裏がある
 筆記用具やノート等は、デジタル化が進むからこそ、必要です。何でも、表と裏があるように、デジタルは、危険や事故、間違いでの消去等で問題もあります。また、子供の教育で学童文具は、必ず、必要です。京都府・会社員・男・55歳

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